「第2先発」として期待が大きいオリックスのエース左腕・宮城大弥も不安が残る。2月25日のソフトバンク戦では味方の拙守に足を引っ張られたが、1回2/3で4失点と球に本来のキレがない。多彩な変化球と緩急で変幻自在の投球が身上だが、制球が定まらないため簡単にはじき返される。本戦までに投球の精度を上げられるかが気がかりだ。
ボールの問題はWBCが開催されるたびに、頭を悩ませる問題だ。では、「メジャー公式球と統一すればいい」という意見には、反発の声が上がる。
日本のメーカー関係者は「NPB公式球の方がメジャーの公式球より明らかに質が良い。メーカーが違うため、ボールの質が変わるのは当然です。米国でプレーしている選手たちからも評判が良いとは言えないメジャーの公式球に、近づける必要があるのか」と疑問を呈する。
一方で、NPBでプレーする投手からは「ボールの滑りやすさ、縫い目の高さはメジャー公式球に近づけても良いと思う。もちろん、最初は扱いにくいですが徐々に慣れていくと思いますし、国際大会で勝つために侍ジャパンに選出された投手がボールの問題で悩む必要が解消される」という声も聞かれる。
今回は強化合宿にメジャーでプレーしているダルビッシュが参加したため、技術指導を受けて救われた投手たちが多かった。日米の「ボールの違い」にどう向き合うか。MLBとの話し合いを含め、検討すべき課題だろう。(今川秀悟)