現在、日本の世帯の72%が共働きである(21年、妻が64歳以下の場合)。厚生労働省の調査によると、この10年で、一部の富める子育て世帯はますます富み、そうでない大多数の世帯との二極分化が著しくなっている。結婚したカップルも“3組に1組が離婚する”状況が続いている。
「要するに、家族の受容力が昔とはぜんぜん違うわけです。余裕を持って子どもをみることができない家庭が大半になってきている。私のうちも共働きです。夫婦で非常に忙しい仕事をしている。子どもに対する愛情はたくさんあるつもりですけれど、時間的にはなかなか見てあげられないのが実情です。幼いころ、子どもたちは昼間の大半の時間を保育園で過ごしました。となれば、やはり、保育の質がよくなければ困るわけです」
日本の家庭の現状に対処するためには、もっと国や社会が子育てや教育を全面的に支援していく制度に整えていかなければならないと、松川局長は訴える。
「総合的に子どもにとってよりよい環境をつくり出す、ということを国や社会が責任を持ってやるべきだと思います。それは家庭が第一という考え方と何も矛盾しないと思います。時代の変化に合わせて、『家庭か社会か』ではなく、『家庭も社会も』で、総力を挙げて子どもを育てるという発想が必要です」
(AERA dot.編集部・米倉昭仁)
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