松川るい参院議員(2022年1月、参院議院運営委員会で)
松川るい参院議員(2022年1月、参院議院運営委員会で)

 また、障害児に対する児童手当も忘れられてはならないと指摘する。

「障害児は、車椅子や義肢などの器具を成長に合わせて買い替えていかねばならないので、障害のない子ども以上に多くの費用が恒常的にかかります。それにもかかわらず、所得制限の線引きは790万円と低くおさえられており、障害児を持つ親たちや障害児は大きな困難に直面しています。でも、少数派なのでその声がなかなか届かない。『お母さん、大きくなってごめんね』などとお子さんに言わせるような状況は何としても変えていかねばなりません。児童手当見直しが政治の中心の議論の一つとなっている今、せめて所得制限上限を引き上げるなど障害児に対する児童手当の所得制限の見直しにも取り組んでいきたいと考えます」

 結局、財源が課題となるが、「所得制限撤廃には1500億円程度の財源が必要とされています。所得制限撤廃のプラスのインパクトは大きいと思いますが、所得制限撤廃よりも、上限を大幅引き上げをしたうえで、異なる少子化対策施策を講じるほうがよりよいポリシーミックスだという考えもありましょう。いずれにせよ、児童手当の拡充については財源も含めて、子どもの幸福を実現するために何がベストかを真ん中にしたきめ細かな議論をしていきたいと思います」。

家庭第一はブレていない

 二つ目の柱は、幼児・保育サービスの拡充だ。自民党女性局のパンフレットには「すべての子どもの健やかな成長を社会全体で支える『こどもまんなか』社会を実現します」とある。

 しかしそれは、これまで自民党が大事にすべきだと言ってきた“伝統的な家族観”と矛盾しないのかと聞くと、「まったく矛盾しないと思います」ときっぱり言い、こう続けた。

「まず、家庭が子どもをしっかりと育てましょう、というのは当然のことだと思います。親がわが子の子育てを放棄してはいけません。ただ、昔と比べて『家庭力』が落ちていますから、そのぶんを社会が支えないと子どもが不幸になってしまいます。家庭力には差がありますが、子どもは家庭を選べません。どんな家庭に生まれた子もちゃんと育つことができる社会をつくる必要がありますし、それは国の責務だと思います」

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「家庭か社会か」ではなく…