3月9日にワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の初戦(対中国代表)を迎える侍ジャパンの中心人物となっているのが、ダルビッシュ有(パドレス)だ。孤高の投手という印象があったが年齢と経験を重ね、3大会ぶりに世界一を目指す日本代表の“精神的支柱”となっている。
【写真】阪神が断った! 来日のプランがあった「超大物助っ人」はこちら
ダルビッシュは今回代表に選ばれているメジャーリーガーの中で、唯一キャンプ初日からチームに合流。投手と野手、分け隔てなくコミュニケーションを重ねている。また、練習中のみならず食事会を開催するなど、チームをまとめる存在だ。
「初対面時には緊張していた選手たちも、あっという間に打ち解けることができていた。グラウンド内外で野球以外の話も含め、(ダルビッシュのいる所では)常に話に花が咲いている。ダルビッシュからどんどん話しかけてくれたのが大きかった。宇田川優希(オリックス)だけでなく、全選手が気を配ってもらっているようだ」(侍ジャパン関係者)
キャンプの休養日となった2月20日の夜には、ダルビッシュを含めた投手陣の食事会が開催された。それまで緊張気味に見えた宇田川はイジられることで打ち解けることができ、チーム全体の空気を和ませることにも繋がった。
ダルビッシュの周囲に人が集まってくるのは今回の侍ジャパンだけではない。日本ハム時代にはヤンチャと言われる後輩の中田翔(現巨人)をはじめ、多くの選手から慕われていた。2009年の侍ジャパンでも、当時最年少だった田中将大(楽天)がチームに溶け込めるようアシストするなど、チームの潤滑油的な存在も担っていた。
「親分肌で面倒見が良い。野球の技術や、コンディショニングなど知識も豊富で、多くの選手がアドバイスを求める姿が見られた。指導する際も頭ごなしではなく、いくつかの選択肢を提案する。誰からも慕われるのが理解できる」(日本ハム関係者)
「人当たりが良く、コミュニケーション能力に優れている。後輩をイジるだけでなくタイミングによっては自らがイジられ役になることも厭わない。食事会などでは場を回す役目を積極的に務める。スター選手なのに空気が読めるのが強み」(日本ハムOB)