「他人が見てたら、先ほどの自分の意見は変わるかな?」

「拾った金額が千円札、1万円札のように大きかったら、どうだろう?」

「親がめちゃくちゃ厳しくて、ばれたら叱られるかもしれないとしたら?」

 状況に応じて自分の意見がどう変わるか、問いを繰り返していくことで、自分がどんな判断基準で判断しているのかがだんだんと浮き彫りになってきました。

 白熱した議論を終え、再びワークシートに意見を記入するたくらみキッズ。議論を通じて、意見が変わった子も見受けられました。

「ばれたらどうしようともやもやし続けるのも嫌やしなあ」

 ふりかえりでは、自分の意見の根底にある判断基準はいったい何なのかについて考えることにしました。その際に参考にした判断基準は以下のとおりです。

・自分がやりたいことをする【自分】

・親や先生の意見に影響されやすい【親・先生】

・他人の目を気にする【他人】

・ルールを守ろうとする【決まり】

・実質的に意味があることを優先する【実利】

・モラルを大事にする【道徳】

 自分の判断基準を認識し、その判断基準の是非を自分なりに考える。子どもたちは探究の端緒についたばかりです。

AERAオンライン限定記事

○山田洋文(やまだ・ひろふみ)/1975年生まれ、京都府出身。教育家。神戸大学経済学部卒。独立系SIerのシステムエンジニアを経て、オルタナティブスクール教員に。2016年4月、京都市内でプロジェクト学習に特化した探究塾の探究堂(http://tanqdo.jp/)を開校。探究堂代表、認定NPO法人東京コミュニティスクール理事。

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