賞味期限以内に一粒取りだして、方眼紙に置いて直径を計測。同じカップでも、サイズにばらつきも(撮影/ライター・福光恵)
賞味期限以内に一粒取りだして、方眼紙に置いて直径を計測。同じカップでも、サイズにばらつきも(撮影/ライター・福光恵)
同じタピオカミルクティーでも、お茶はこってり系、さっぱり系、甘めなど。タピオカはもちもち系、つるつる系、ネトネト系など食感の違いあり(撮影/ライター・福光恵)
同じタピオカミルクティーでも、お茶はこってり系、さっぱり系、甘めなど。タピオカはもちもち系、つるつる系、ネトネト系など食感の違いあり(撮影/ライター・福光恵)

 もちもち。つるん。第3次ブームが続くタピオカ。この夏も有名店の行列は長かった。なぜ、ブームは終わらないのか。まずは12の名店で飲み比べ、実態に迫った。AERA 2019年9月23日号に掲載された記事を紹介する。

【写真特集】有名12店のタピオカミルクティーはこちら

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「ヨジラー(毎日朝4時起き)ルポ」「低カロリー生活ルポ」「保健体育の歴代教科書読み倒しルポ」などなど。これまで、編集部からのムチャ振りミッションに真摯に応えてきた自分だが、今回は歴代上位に食い込むほどの過酷さとなった。何って、「タピオカミルクティー飲み倒しルポ」だ。

「タピオカって好きですよね?飲み比べたり、測ったり、数えたりしてみませんか?」

 編集部からそんな電話がかかってきたのは、暑さがやっと本格化した7月終わりのこと。ちょっちょっちょっ、誰が好きって言ったかしら? なにせ自分は今、糖質制限ダイエット中。もう何年も糖質制限ダイエットをやっているという担当デスクは、今度こそダイエットを成功させてしまいそうな私に嫉妬して、糖質たっぷりのタピオカ企画を振ってきたに違いない。

 だいたい2017年ごろから始まった第3次タピオカブームも、いよいよこの夏限りとの噂を聞いたことがある。ぜんぜん気が進まないが、まずは市場調査のために、タピオカ激戦区と呼ばれていた新宿や表参道、渋谷周辺を、あらためて歩いてみることにした。

 しまった。終わってない。街の当たり前の風景として見過ごしていたが、夏休みに「タピ旅」とやらで上京している女子も多いみたい。この暑いのに、暴動が起きないのが不思議なくらい、有名店のタピ列(タピオカ行列)は相変わらず長かった。

 気を付けて見ていると、歩きながらシュポシュポズルズルしている「タピ歩き」の女子にも、かなりの確率ですれ違う。

 そういえばこれまでのタピオカブームでは、第1次がバブル崩壊、第2次がリーマン・ショックと、ブームの陰りとともに、大きな景気後退が起こったと言う人もいる。不景気撃退法はただひとつ、みんなでタピオカを飲んで、ブームを終わらせないことだろう。

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