また3月18日の巨人戦、22日のソフトバンク戦で放ったホームランはいずれもレフト方向への一発で、昨年までには見られなかったものである。今年開場する「エスコンフィールドHOKKAIDO」は昨年までの本拠地だった札幌ドームよりもフェンスが低いというのも清宮にとっては大きな追い風となるだろう。

 野手でもう1人強烈なアピールを見せているのが阪神ドラフト1位ルーキー、森下翔太だ。キャンプ当初はプロのボールに苦労しているように見えたが、持ち味であるフルスイングする姿勢を崩すことなく徐々に対応。ここまでいずれもチームトップとなる14安打、3本塁打をマークし、打率も.350という見事な数字を残しているのだ。WBCに世間の注目が集まっていることで、例年に比べると報道がそこまで多くなく、野球に集中できているというのもプラス材料ではないだろうか。打つだけでなく外野手としての能力も高く、広い甲子園の外野でも安心して任せられることができそうだ。新外国人野手の2人はいずれも外野手でチーム内での競争は激しいが、前政権でも若手を積極的に抜擢してきた岡田彰布監督だけにレギュラー獲得のチャンスもありそうだ。

 一方、不安を残している投手としてまず名前が挙がるのが3年ぶりの日本球界復帰となった有原航平(ソフトバンク)だ。オープン戦初登板となった3月9日のヤクルト戦では先発して3回を投げて被安打9、6失点と炎上。1週間後の巨人戦では4回を投げて2失点とそれなりの結果を残したが、中山礼都にタイムリー、広岡大志にホームランとレギュラークラスではない選手に手痛い一打を浴びている。

 ここまで与えた四死球は0と持ち味である制球力は健在のように見えるものの、ストレートはスピードガンの数字ほど威力が感じられず、その影響で変化球にも対応されているように見えた。3年総額15億円(推定)とも言われる大型契約で期待も大きいだけに、何とか開幕までに調子を上げたいところだ。

暮らしとモノ班 for promotion
ヒッピー、ディスコ、パンク…70年代ファションのリバイバル熱が冷めない今
次のページ
巨人の投手、DeNA野手にも“心配”な選手