「本好きの割には中途半端ですね。本に失礼です」
「引っ越しの時に800冊売ったんですが……」
「もっと本を読めるスペースがあるといいのでは? これでは、本が置きっぱなしのスペースになっていますよ」
「本当はこのあたりに本を読む専用の椅子を置いてウットリ本を読みたいんですが……」
「そうですよね? ずっといて居心地がいい場所にした方が本たちも喜びます。本好きってだいたい酒好きなので……」
「なんで分かるんですか!!」
「本を読みながら飲むんでしょ(笑)。自分のライフスタイルと、どう暮らしたいかをビジョン化すると余計なものがそぎ落とされますよ」
古堅さんと話した結果、短時間で(1)自室にある仕事用折り畳み机は撤去、(2)読書用椅子を導入という方針がまとまった。
「生前整理の時は、自分はどう生きたいのかと問いかけてください。物の整理や片付けを好きでやる人はいないです。前向きに取り組むには越えるものがないと。夢や希望は重要です」
(編集部・小柳暁子)
※AERA 2019年7月1日号より抜粋