死後に自分のSNSアカウントがどうなるかも気になるところ。利用者が死亡した場合、ツイッターは「権限のある遺産管理人または故人の家族とともにアカウントを削除する」(ツイッターヘルプセンターから)という。
マレリークは今年1月、デジタルエンディングノートアプリ「編みノート」の無料配布を始めた。これは財産情報やその他個人情報をわかりやすく整理して残しておけ、設定した期間を過ぎてパソコンに電源が入れられた場合に自動公開・自動削除するファイルを指定しておくことができる。
「私たちはデジタル遺品整理をしていますが、最終的にはなくしたいと思っているんです」(同)
デジタル遺品は通常の遺品よりも高度な個人情報が含まれ、そのまま遺族に返すのがはばかられる場合もあるという。
「お客様からはネット証券やネット銀行の口座だけ調べてください、あとは自分たちでやりますのでと言われるんですが、このままお返ししていいのかなという画像などが含まれている場合も多いので、こちらとしてもつらいんです。このアプリがデジタル生前整理のきっかけになればと思っています」(同)
整理収納アドバイザーの古堅純子さん(48)によると、60代、70代に入り生前整理のプレッシャーを抱えながら、片付けられないまま亡くなる人もいるという。
「高齢になってからの生前整理は大変だし、それに気付かせるのも酷です。だから早く始めるのが肝心。身の丈にあった物の量で生きているだけで幸せですよ。トラブルも少ないです」
では実際どうやって生前整理すればよいのか。片付けを巡っては、夫のコレクションを妻が処分したがるといった問題が多々勃発する。
「それは逆効果。好きじゃない物の方が捨てられるのに、好きなものを捨てろというのはつらいだけ。前向きに生きるために片付けよう!が古堅式の生前整理なんです」
古堅さんの発言にわが意を得て、勇気を出してスマホで撮った記者の自室写真を見てもらった。壁面がほぼ天井まで本で埋め尽くされている。