大学と中学・高校の連携が、中高一貫校を中心に急速に進んでいる。中学や高校進学時から、大学選びを視野に入れる時代になった。
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青山学院横浜英和(当時・横浜英和女学院)は2016年に青山学院大の系属校になった。提携後、年600人程度で推移していた出願者数は3倍に増えた。今春入学の中1生に志望理由をアンケートすると、「青山学院の系属校だから」との回答が72%(複数回答)にのぼった。
大学と高校や中学が教育協定を結ぶ「高大連携」が急速に進んでいる。文部科学省が「高大接続改革」の推進で後押しするなか、今年に入ってすでに5組が締結された。
高大連携には、学校に大学名をかぶせた準付属化、連携大学コースの設置、教育のやりとりを行うゆるやかな連携などがある。各協定により内容は違い、推薦条件が厳しい、人数制限があるなどのケースもある。だが、協定があるということは、特定の大学に進学しやすい高校や中学があるということだ。
どの大学とどんな協定を結ぶかで、その中高の志願者数が大きく変動することもある。
現在、青学との連携プログラムでは、横浜英和の生徒が大学で「学問入門講座」を受けたり、青学教授が高校で訪問授業を行ったりするほか、一部クラブ活動や教師の研修などで交流する機会も設けられている。
16年当時、教頭として連携締結の実務にあたった小久保光世校長は言う。
「青山学院大学には、メソジスト系のキリスト教学校という共通のルーツがあり、声をかけていただいた。女子校人気が全体的に低迷するなか、本校も生徒募集で苦労していた。学院が発展するならとお受けしました」
横浜英和にも創立139年の歴史があり、大切にしている建学精神がある。話し合いを重ね、法人合併はせず、校舎も移転しないことに。提携に伴い、18年に女子校から共学校に転換した。
「抵抗を感じる在校生がいたかもしれませんが、時代を考えると共学化の流れは必然だった。志願者数が増え、教師のモチベーションも上がりました」(小久保校長)
青学に推薦入学できる「系属校推薦」は、高校3年間の学校と外部学力試験の成績、面接で決まる。生徒が勉強するようになり、偏差値がわずか数年で10ポイント上がって54になった。