全員の作業が完了したところで、いよいよ風探しの作戦会議です。
鴨川デルタの地図をみんなの前に広げて、計測場所と計測内容(強さと向き)を全員で再確認することにしました。
「川って風の力で流れていると思うから、川の流れる向きと一緒じゃないかな」
風向きを予想する場面では、本クラス唯一の男の子がユニークな観点で、自分なりの予想を立てていました。
授業を実施したのは4月の2週目。桜のピークは過ぎていましたが、この日は天気も良く、鴨川デルタは比較的多くの人で賑わっていました。
その中をお手製の風探索器を掲げた小さな調査隊が歩き回るのはなかなか愉快な光景です。
「うわっ、ここの風めっちゃすごい!!」
手に持った風探索器のスズランテープが勢いよくたなびきます。
事前に決めた計測場所をひとつひとつ確認するなかで、鴨川デルタの三角州の先端部分は特に風が強いことを発見しました。
ただ、予想に反して、川下から川上の方向に風が吹いているようです。
(あれ、おかしいな。川の流れと風の向きって関係ないのかな?)
自分たちの予想とは異なる結果に遭遇し、驚きや不思議の種がひょこっと芽を出した瞬間です。
はたして、『風』プロジェクトは今後どのような展開を迎えるでしょうか。
探究堂の幼児クラスの名称は「ぷれりか」といいます。“Playful Science”の略です。
遊びを通して身近な自然と触れ合う中で、子どもたちの「科学する心」を育んでいきたいと思います。
(文/山田洋文)
※AERAオンライン限定記事