「大家として入居者の皆さんの世帯年収を高めることはできませんが、このサービスで皆さんの可処分所得を増やすことはできました。家計に余裕が生まれれば家賃滞納のリスクが大幅に減らせます。結局は貸主、大家のためにもなるんです」

 花火やクリスマスケーキのプレゼント、換気扇やエアコンの清掃といったきめ細かいサービスも、年間の計画表を作って実施している。

 家賃や間取り、駅からの距離──。部屋選びの物差しとなるそんな条件に、「大家さん」を加えたくなった人も多いのではないだろうか。

 賃貸物件選びのポータルサイト「ウチコミ!」には、自分に合った大家さんを探し、その所有物件を検索できる「大家サーチ」という機能がある。インテリアにこだわるタイプか、乗り物好きか、動物好きかなど8項目で自分好みの大家さんを見つけることができる。

 もちろん、サービス精神旺盛な大家さんはまだ少数派だ。だが、賃貸業界では大きな注目を集めており、3人は全国各地で開かれる大家さん向けのセミナーで講師として引っ張りだこという。今後同様のサービスを採り入れる大家さんが全国で増えていく可能性は高い。

「どこに住むか」ではなく、「誰から借りるか」を部屋探しの基準にする動きは、今後高まりそうだ。(ライター・吉松こころ)

AERA 2019年3月18日号より抜粋

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