記者の場合、いじらしく昼食を控えめにしてケーキとクリーム系ラテをオーダーした昼下がり、血糖値は194を記録。
「働く女子の心のオアシス、ごほうびスイーツが危険なの!?」
牧田医師の言葉があやしくリフレインする。
「人間にとって、太古の昔からエネルギー源となる糖質は貴重でした。糖質を取ると幸福感が出るのは刷り込まれた本能です。ラーメンやお菓子、ジュースなど糖質を過剰に含む食事に囲まれ、知らず知らずのうちに糖質中毒に陥っている現代人は多いんです」
確かに、空腹時に甘いものを食べるって気持ちいいよね……。
衝撃はまだまだ続く。起き抜けのたった1個のみかんで血糖値は88も上がり、140オーバー。朝のおかゆでも軽く140オーバー。甘い缶チューハイを飲んだら168を記録した。
逆に血糖値の上昇が緩やかだったのが、ステーキや焼き肉と焼酎の組み合わせや、イタリアンと白ワインの組み合わせ。すべて140以下に収まった。しゃぶしゃぶやとんかつも、血糖値を爆上げしなかった。
血糖値コントロールの上では、ごちそうと酒は敵ではなくむしろ強い味方だと体感。幸せなダイエットの予感に体が震える。
食べる順番の妙も覚えた。おにぎりやラーメンを単品で食べれば140を超えてしまうが、野菜や肉を先に食べると抑えられることが多い。副編集長は、ラーメンを食べる直前になんとしょうが焼きを完食。肉と麺の合わせ技はいかにも体に悪そうだが、ラーメン単体で食べたときは235を記録した血糖値が151に抑えられたという。
そう、血糖値コントロールにはコツがあるのだ。
「一度にたくさん食べるより、何回かに分けて食べたほうが、血糖値も大きく上がらず、インスリンもあまり出ないので太りません。血糖値が上がっても、少し歩けば徐々に下がります」
間食までOKだなんて、最高。(編集部・熊澤志保)
※AERA 2019年1月21日号より抜粋