両チームとも徐々に調子を上げ、磐田は10試合で勝点13(3勝4分3敗、17得点13失点)の10位、清水は勝点12(2勝6分2敗、13得点9失点)の14位と巻き返してはいるが、J1自動昇格圏までは磐田が勝点9、清水は勝点10の差をつけられている。まだシーズンは32試合を残しているが、「1年でのJ1復帰」を至上命令とするチームにとっては、できるだけ早い段階で上位との差を詰めておきたいところだ。

 下位チームの中で、まだ浮上のキッカケを掴めていないのが、2014年と2021年にJ1経験のある徳島だ。昨季も中盤以降に調子を上げて8位でフィニッシュしたが、今季はクラブワーストを更新する開幕10戦未勝利という泥沼にハマって、現時点で勝点5(5分5敗、6得点16失点)。ダニエル・ポヤトス監督をG大阪に奪われた後、久保建英が在籍するスペイン1部レアル・ソシエダで分析担当の責任者だったベニャート・ラバイン氏を新監督に据え、名古屋から元日本代表の柿谷曜一朗を12シーズンぶりに復帰させるなど戦力補強も積極的に行ったが、結果が出ていない。特に得点力不足が深刻。トップチームでの監督経験がない35歳の青年指揮官の立場が、早くも危うくなっている。

 さらにもう1チーム、非常に気になるのが千葉だ。J発足時の「オリジナル10」の一員であり、これまで数々の名選手たちがプレーしてきた歴史と実績のあるクラブ。2009年にJ1最下位となってクラブ初のJ2降格となって以降、J2暮らしが続いて今季が14シーズン目となった今季、開幕戦で長崎に勝利(○1-0)するも、第2節から山形(●1-3)、群馬(△2-2)、秋田(●0-1)、大分(●1-2)、岡山(△1-1)、金沢(●0-2)、徳島(△2-2)、藤枝(●1-3)と8試合白星なし。ようやく第10節の東京Vで勝利(○1-0)したが、まだ勝点9(2勝3分5敗、10得点16失点)の20位。上よりも下(21位、22位がJ3に自動降格)が気になる順位にいる。

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今季のJ2は“大混戦”の予感