世界選手権では2位の樋口新葉と3位の宮原知子がそろって表彰台に。女子の日本勢が複数表彰台に上がるのは、安藤美姫が優勝し浅田真央が2位になった2007年東京大会以来11年ぶり2度目のことだ (c)朝日新聞社
世界選手権では2位の樋口新葉と3位の宮原知子がそろって表彰台に。女子の日本勢が複数表彰台に上がるのは、安藤美姫が優勝し浅田真央が2位になった2007年東京大会以来11年ぶり2度目のことだ (c)朝日新聞社
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 平昌五輪を逃した樋口新葉が、世界選手権で2位。銀メダルという快挙を達成した。彼女の強さの源は「ジャンプの質」。来季はトリプルアクセルにも挑むという。

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 力強いガッツポーズ。ポロポロこぼれ落ちた大粒の涙。得点を確認するとさらに号泣──。

 3月にイタリア・ミラノで行われたフィギュアスケートの世界選手権で、樋口新葉(ひぐちわかば・17)がため込んできたパワーを一気に爆発させた。平昌五輪を制したロシアのアリーナ・ザギトワ(15)、日本女子のエース、宮原知子(みやはらさとこ・20)を抑えて銀メダル。

「濃い一年でした。グランプリファイナルに出たこと。五輪シーズンを戦ったこと。世界選手権のメダルは他の選手のミスもあって棚からぼたなので、来年は絶対に表彰台から落ちない選手になりたい」(樋口)

 確かに、ザギトワがフリーで3度転倒。他の選手にもミスがあった。樋口が言う「棚からぼた餅」的な側面がないとは言わないが、樋口の演技は十分、銀メダルに値するものだった。

 そもそも今季、樋口はザギトワに肉薄していた。2017年9月のロンバルディア杯では0.83点差の217.63点で2位。11月の中国杯でも1.36点差の212.52点で2位。

「(エフゲニア・)メドベージェワは本当に練習でも一回もミスしないけれど、ザギトワはミスもある」(樋口)

 と言ってのけ、世界で唯一、ザギトワに苦手意識を感じていなかった。

 そんな樋口の武器はジャンプの「加点」だ。世界選手権のフリーでは七つのジャンプの加点合計が7.21。優勝のケイトリン・オズモンド(22)は6.39、宮原は0.63だから、ジャンプの質が樋口の強みであることがはっきりわかる。特にダブルアクセルでは羽生結弦(はにゅうゆづる・23)のトリプルアクセルと同じ「カウンター」という難しい足さばきから跳ぶ工夫をしている。

 シーズン前半はこの加点を武器に好成績を収めたが、12月の全日本選手権は公式練習中に右足首をねんざ。2枠しかなかった平昌五輪代表を逃した。

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