原発については、賛成と反対それぞれの立場がある。しかし、西澤さんが写真集を出したのは、原発の賛否を問うのが目的ではない。「記録」だという。廃炉の現場に行くことができない人たちへの判断材料、そして次の世代に伝える記録だ、と。
「全世界の人に見てほしい」
写真の一枚一枚に、日本語と英語の解説文を併記した。
廃炉にかかるとされる期間は40年。その日まで撮り続けたいと西澤さんは話した。
「過去の写真があるから今との違いがわかる。今の写真を撮っているから、将来も違いがわかります」
3月末、カメラを担いで再び廃炉の現場に入る。(編集部・野村昌二)
※AERA 2018年3月12日号より抜粋