ペコラはアエラ編集部で撮影。何年もここで働いているかのような顔をしてなじんでいた(撮影/鈴木芳果)
ペコラはアエラ編集部で撮影。何年もここで働いているかのような顔をしてなじんでいた(撮影/鈴木芳果)
人間界に遊びに来た、Makikoさんのパンダたち(写真:本人提供)
人間界に遊びに来た、Makikoさんのパンダたち(写真:本人提供)
人間界に遊びに来た、Makikoさんのパンダたち(写真:本人提供)
人間界に遊びに来た、Makikoさんのパンダたち(写真:本人提供)
羊毛フェルト作家 Makiko 小倉真紀子さん(57)/おぐら・まきこ/女子美術大学卒。著書に『羊毛フェルトでつくる癒しパンダ』。2018年には金沢21世紀美術館、パリのジャパンエキスポなどに出展予定(撮影/鈴木芳果)
羊毛フェルト作家 Makiko 小倉真紀子さん(57)/おぐら・まきこ/女子美術大学卒。著書に『羊毛フェルトでつくる癒しパンダ』。2018年には金沢21世紀美術館、パリのジャパンエキスポなどに出展予定(撮影/鈴木芳果)

 どてっとした丸みに、もふもふ感。これもパンダの魅力のひとつだ。11月中旬、都内の百貨店では「癒しパンダ」で知られる、羊毛フェルト作家Makikoこと小倉真紀子さん(57)のワークショップが開かれていた。

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「パンダは、作る人に似ますから気をつけてくださいね。首や足が長いと、パンダの場合は栄養失調に見えてしまいますから。尻尾も大事ですよ」

 真紀子さんがパンダにハマるようになったのは10年ほど前。ふたりの息子の子育てが一段落したころ羊毛フェルトに出合った。パンダを作ると「顔がかわいい」とたちまち評判に。パンダの映像を観察するうち、子育ての姿にひきこまれた。

「お母さんパンダが子パンダを抱いていたのですが、子どもは遊びたがってジタバタともがいていました。それを見たとき『うちと一緒!』と親近感が湧きました。シンシンとシャンシャンの親子を見ていても、人間の子育てと変わらないですよね」

 真紀子さんが作る親子パンダの作品には「自分の子育てを思い出した」「仕草がうちの子そっくり」など共感の声が多く寄せられた。既成のイメージにとらわれず、「パンダが人間界に遊びに来た」をコンセプトに作品世界をさらに広げた。今回も、真紀子さんの希望で作品撮影をアエラ編集部内で行った。

「とりすました、おしゃれな空間に飾るのではなく、普段の暮らしのなかに作品は置かれたい。忙しく働くなか、ふとパンダと目が合って気持ちがなごんだり、癒やされたり。そんなふうでありたいです」(真紀子さん)

 ふわふわの羊毛を専用の針で刺すと、摩擦で繊維がからまり、羊毛フェルトは形作られていく。5~6センチのパンダ作品を作るのに約21時間。写真のペコラでは4カ月かかるという。

「制作に没頭するうち、座る姿がパンダに似てきたと家族には言われます(笑)」

(編集部・石田かおる)

AERA 2018年1月1-8日合併号