「彼女はいつも予期せぬことを言い出すので、今度はそう来たかと(笑)。弊社の事業のフェーズからすると、まだまだ広報に注力したい。一方で、彼女が外で働くからこそ高められる能力や知見もある。複雑な心境ですが、会社としてはこの働き方に挑戦したいと考えています」
同社はもともと副業を認めているが、2社を完全に同時並行はまだ例がない。松田さんと2社はどんな契約形態がありうるか、協議を続行中だ。ファイナンシャルプランナーで副業・複業に詳しい山崎俊輔さんは言う。
「日本の企業はこれまで、全社員に一律のルールを運用してきたが、もはや『全員一律』は時代にそぐわなくなっている」
会社が定めた働き方に個人が合わせる時代から、個人の自由な働き方に会社が合わせる時代へ。日本は変われるだろうか。
(編集部・石臥薫子)
※AERA 2017年12月18日号より抜粋