引退“かなだい”村元哉中・高橋大輔「これ以上最高のパートナーはいない」「誘ってくれて感謝」【会見詳細】

　村元は高橋をパートナーに選んだことで、自身のスケーターとしての持ち味を問い直し、改めて自分が大切にしていることに気がついたという。

「今となっては勇気を出して声かけて良かったなって思いますし、この3シーズン大ちゃんと、一緒に練習していろんな作品を作り上げていく中で、やっぱり『魅せる』ことの大切さというか、自分はすごく魅せるのが好きなんだな、というのを改めて教えてもらえた。大ちゃんを通して、自分はどういうスケーターなのかというのもすごく感じられました」

　また、競技に対する姿勢は二人とも同じで、それを強く感じた場面を次のように振り返った。

「今シーズンのたぶん、NHK杯の時だったんですけど、今季のリズムダンスって複雑なステップがあって、ある方に『もうちょっとエレメンツとエレメンツの間のトランジションをもっと簡単にして、後半もっと得点をあげられるようにかえてみたら？』という意見があって、大ちゃんに『どう思う？』って聞いてみたら、大ちゃんが『得点とかより作品としてそこは妥協するのはよくないんじゃない』ってバサッと言われたことがあって、あ、なるほどって。そこは私が考えていたことと一致して、もちろん競技としては結果を残していくことは大事なんですけど、それ以上にひとつの作品、記憶に残る演技をするというのが私の中では強くあった。それがすごく一致して、『そうだよね。いかにお客さんに感動を与えることがいかに大事か』ということがすごく感じられた。この3年間で魅せることの大切さを大ちゃんから教わりました」

　会見では表現に苦しむ村元のフォローを高橋がするなど、氷上をおりても息のあった様子だった。以下に、会見の一部を要約する。

 ◇

【決断の理由と経緯】

――決断に至った理由は？　いつから二人で話をしていたのか。

高橋：「引退する」というのを伝えたのは僕からです。それを伝えた時期なんですけど、ちょっと皆さまには申し訳ないことをしたんですが、実は、四大陸選手権の後に哉中ちゃんにお伝えして、世界選手権の時には引退をするというのは二人の中では実は決まっていた。

　ただ引退するという気持ちで自分たちも世界選手権に挑みたくなく、いつも通りのカタチで挑みたいなといった。発表は世界選手権を終わってからにしようかと。その後の国別対抗戦の前には発表しようかな、と思っていたんですけが、色々タイミングを逃してしまい、結果、国別対抗戦でお伝えすることができず、昨日に発表するという形になってしまった。記者の皆さんに謝らせてください。すみませんでした。