村元:私の方も、大ちゃんから「僕は引退する」っていう話を聞いた後に「哉中ちゃんも、もし引退となったら、まだ『かなだい』としてパフォーマンスをしていきたい」というお話を聞けた時に自分の中でもそうしていきたいという思いが強くありました。新しいパートナーを探さないと決めていたので引退をしても大ちゃんとまだ作品を作っていけるという楽しみがあります。あと、25年間スケートしかしてこなかった人生なので、自分が他にどんな興味があるのか。いろんなことに挑戦したいなという思いもあります。

 大ちゃんの方から「哉中は一人でも魅せれるスケーターだよ」って言ってくれて、その言葉もすごい嬉しかったですし、個人として、村元哉中として、一スケーターとして、表現者としてパフォーマンスをしていけたらいいな、という思いもあります。

【カップル競技の成長と難しさ】

高橋:やればやるほど成長はできるなと思うんですけど。僕もほんと、ケガがなければ、ケガというか右膝の問題がなければもうちょっと競技を続けたいなという気持ちは正直ある。

 アイスダンスに関しては本当にやればやるほど二人の息もあってきますし、パフォーマンス力も上がってくると思うし。

 ただね、やっぱりね、お互い同じ方向を向いていないと物事を進めていくのはなかなか難しいので、そこはやっぱり体がちゃんとしていても気持ちの面でも同じ方向でないと、続けることも難しくなります。両方が揃っていないとカップル競技を続けていくのは特に難しいなというふうには感じています。

村元:そうですね、まったく同じ答えにはなるんですけど、ほんとに二人が同じビジョンを持っていないと、やっぱ、こう、気持も一緒にならないですし。二人の気持のバランスとかフィジカル、メンタルを理解して、自分の理想だけでじゃなくて、チームとしての理想を目指せるか、どれぐらい自分よりチームを前に置くか、どれぐらい妥協してチームとしてやっていくかってバランスが難しいんです。けど、それができたら少しずつレベルアップできると思う。二人で何かを作り上げるってすごく大変なことだと思います。

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50歳まで体をキープする