発表後、2人はケンジントン宮殿の庭園に姿を見せ写真撮影に応じた。夕方には、BBCのインタビューを受けて、なれ初めやプロポーズなどについて話している。2人は手を握り合い、笑顔で見つめ合った。ただ、国民の反発はなお消えない。「おめでとう」「素敵なカップル」との祝福が寄せられる一方で、「庭園に姿を現した時、メーガンさんはバスローブを着ているのかと思った」「履いていたヒールが足に合っていないのは彼女が王室にふさわしくない象徴」「カメラにポーズをとらないで」「王子はまるでメーガンの操り人形のよう」との声が噴出した。婚約のニュース速報に、視聴番組が中断されたとする抗議がテレビ局に寄せられたのも、彼女を歓迎しない人たちが少なくないからだろう。
2人は結婚後、ケンジントン宮殿内で暮らす。そこで、メーガンが頼りにするべきは隣人のキャサリン妃(35)だろう。一般女性としてウィリアム王子(35)と結婚して6年以上が経つ先輩は頼りになるはずだ。このたびの婚約で最も安堵したのは実はキャサリン妃といわれる。英王室に通じた貴族出身でもなく英王室に疎い外国人なら、自分の立場を脅かすことはないだろう。妃はメーガンを歓迎している。
ただし、メーガンには妃へのライバル意識が強く、ロイヤルシスターズの関係は微妙とも囁かれる。早くもメーガンが9月のインビクタスゲームに王子と登場した際に掛けた鼈甲のフレームのサングラスの売り上げが10倍以上に達し、「ケイト効果」が「メーガン効果」に取って代わられる兆しが見える。今後は、メーガンの一挙手一投足に国民のチェックが入るだろう。受けた差別を力にして、「王室に入ったら新しいチャプターを始めたい」と意欲を語る彼女。予想されるバッシングから王子は彼女を守れるか。ヤンチャ王子の成熟度が試される。(文中一部敬称略)
(ジャーナリスト・多賀幹子)
※AERA 2017年12月11日号
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