「過剰にけなすのは、男性が家事をうまくこなし、自身の価値が下がることを無意識に避けているのでは。家庭で権力をふるい、支配することが自己充足につながってしまっているのかもしれません。侵害されているなら、男性も声をあげ、闘う必要があります」(おおたさん)

 前出の河崎さんも、女性側に注意喚起する。

「夫の助けがほしいのに、『ここは私のお城だから入らないで』では、望む助けは得られません。女性が縄張り意識を持った時点で、『同じことを男性がやってもいい』と同意署名をすることになってしまいます」

 共働きのはずなのに過剰に家事・育児を負担する妻は、依然として少なくないようだが、それは果たして男性だけが悪いのか。

 時代は過渡期にある。かつてこんな議論がされていた、と驚きをもって後世に受け止められる日がくるのかもしれない。(編集部・澤志保)

AERA 2017年12月4日号より抜粋

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