女性の社会進出に際して、男性側の意識改革や、旧来の価値観を見直すことは必須課題だ。しかし一方で、古い価値観に縛られているのは男性ばかりではないという。
専業主婦を選択せず、社会進出を意図してきた女性のなかにも、旧来の価値観に引っ張られる一面はある。今年5月、酒井順子さんが上梓した『男尊女子』(集英社刊)は、そんな女性の内面を描いたエッセイだ。
「平等、対等を目指しているつもりなのに、気がつけば自分の中に男性への遠慮がある。自身が男性より優秀であることに居心地の悪さを感じたり、男性に引っ張っていってもらいたいと思ったり」(酒井さん)
『男尊女子』はたちまち評判になり、編集部の女性デスク陣も、「あるある」と共感を示した。
酒井さんは、男尊女子の3形態をこう解説する。
「ひとつは親世代から刷り込まれた『刷り込み』タイプで、特に疑問や葛藤を抱いていません。もうひとつが、『そのほうが楽』と甘んじて受け入れてきたタイプ、そして『男性の願望を忖度する』タイプです」