層の厚いブラジル代表では招集歴がなく、本人が「大好きだった祖父母の祖国・日本の代表選手として2014年のブラジルW杯に出場したい」とコメントしたことで日本代表入りへの期待が高まったが、結局は実現せず。トルコでのプレーを経て、2011年にカタールに渡ると、同国の年間優秀選手に2度(2012年、2016年)選ばれるとともに、2015年にカタールに帰化して同国代表の招集を受けることになった。

 その名前に多くの日本人が反応せざるを得ないのが、スウェーデン代表としてプレーしたステファン・イシザキだ。1982年5月15日生まれ。日本人の父とスウェーデン人の母を持つ日系2世で、ストックホルム出身。右サイドのアタッカーとして早くから頭角を現し、16歳の時にAIKでトップチームデビュー。その後、U-21スウェーデン代表の主力として2004年のU-21欧州選手権4位に貢献し、将来有望な期待の選手の一人として欧州各国から注目された。

 その後、イタリア・ジェノアでは活躍できなかったが、スウェーデン復帰後のエルフスボリでは中心選手として国内タイトル獲得に貢献。2014年から1年間はMLSのロサンゼルス・ギャラクシーでもプレー。残念ながらW杯出場は果たせなかったが、A代表にも招集される実力者だった。若い頃、本人は日本代表入りの希望も持っていたというが、日本サッカー協会とのコネクションがなく、ユースの大会で来日のチャンスがあったが病気で断念。「イシザキ君の顔面ブロック」は実現しなかった。

 世界的にも若手有望株として注目され、「フランスのメッシ」とも呼ばれたのが、ガエル・カクタだ。1991年6月21日生まれ。日本人の祖父を持つ日系フランス人3世。アフリカ系の高い身体能力を持ち、圧巻のスピードと突破力は群を抜いており、ランスの下部組織から15歳でチェルシーに引き抜かれて、2009年11月に18歳でプレミアリーグデビュー。翌月にはクラブ最年少記録となる18歳5カ月での欧州CLデビューも果たした。

次のページ
世界的プレイヤーとなった日系人選手は?