これとは別に、マンション管理会社の業界団体である「マンション管理業協会」が運営するマンション管理適正評価制度も、4月から始まった。こちらは、管理状況が市場価値に反映されることをめざす。

 管理状況を100点満点で点数化する。申請のあったマンションを管理組合の運営態勢や支出、設備の状態など30項目について採点し、最高位の「星5個」から「星ゼロ個」までの6段階でランク付けする。不動産ポータルサイトの物件ページに評価結果を掲載することも検討する。

 国の認定制度とも連携し、この制度で評価を受ければ、国の制度でも認定を受けられる方向で検討を進めるという。

 ただ、課題も指摘されている。一つは、どちらの制度も強制力がないことだ。

 マンション管理組合に助言する活動をする東京都マンション管理士会の担当者は、「制度は任意のため、管理意識の低いマンションは申請せず、管理不全マンションを把握できずに埋もれてしまう可能性がある」と指摘する。

「特に国の制度では、申請していない組合が支援から外れないように、自治体が独自にどこまで積極的に実態を把握し、支援できるかが課題」と話す。

 不動産コンサルティングを行う「さくら事務所」(東京)のマンション管理コンサルタント、土屋輝之さんは、管理状況が良いマンションと、住民の高齢化や積立金の不足などで改善できない「頑張れないマンション」の二極化が進むことを懸念する。

「自治体も管理業協会においても、どう組合を支援していくかが鍵になる」と話す。

【朝日新聞デジタル連載 「高齢化するマンション」】

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