ただ、芸人になると祖父の逸話は、顔と名前を覚えてもらうのにいいアピールになりました。芸人になったばかりのころ、ジュニアさん(千原ジュニア)に「1億円を拾った大貫さんの孫です」と挨拶をすると、「えー!!」とすごくいいリアクションを取ってくださって(笑)。

 1億円を手にした祖父は、都内に約3700万円でマンションを購入し、トラックも買い替えました。私は祖父からお金を譲ってもらっていないのですが、「金運」は引き継いだとよく言われます。芸人になって「タカダ・コーポレーション」というコンビでデビューするとすぐにテレビ番組にも出演でき、人気が落ち着くとギャンブルで稼ぎました。

 昨春から夫(山西章博さん、34)と「夫婦のじかん」というコンビを組んでいますが、それより副業でやっているイラストレーターの収入のほうが多く、私が一家の大黒柱です。芸人になってから一度もお金に困ったことがないためか周りから、「絶対、おじいさんのお陰でお金に困らないんだよ」「何か持ってる」って言われます。私的にはちゃんと努力し、お笑いもイラストも頑張っているのですが。

 実は夫も、私から運をもらっていると言われます。私も衝撃だったんですけど、彼は2014年の「よしもとブサイクランキング」で3位になったんです。だから先輩芸人から「お前、ぶさいくなのに結婚できてラッキーだな。お金にも困ってないし。嫁さんのお陰やぞ」っていじられます。ただその後で、「お前にも何かがあるのかもしれんぞ」と言っていただけるようです。

 夫はまだ芽が出ませんが、お笑いの才能があります。夫も、ゆくゆくは俺がと言ってくれているので、彼がお笑いで大成するまでお金で支えていきます。ただ、それまで家事はよろしくお願いします(笑)。(構成/編集部・野村昌二)

AERA 2017年9月25日号

▼▼▼AERA最新号はこちら▼▼▼