平成の皇后さまは、公務でも常に天皇陛下の半歩うしろを歩いてきた。上皇さまは天皇としての最後の誕生日会見で、「常に私と歩みを共にし、私の考えを理解し、私の立場と務めを支えてきてくれました」と、美智子さまへの感謝の言葉を述べられた。
しかし、令和の皇室ではすこし変化があった。これまで天皇と皇后で別だったご進講を一緒に受けるようになり、外での公務の際には両陛下がおふたり並んで歩くイメージが強くなった。
皇后の「仕事」にも変化があった。明治時代から皇后が受け継いできた養蚕である。
ここ数年、成長した蚕を「蔟(まぶし)」と呼ばれる網に移す「上蔟(じょうぞく)」の作業などに、天皇陛下も参加しているのだ。上皇さまも美智子さまと一緒に繭を収穫することはあった。しかし、天皇が上蔟を手伝うのは珍しい。
秋篠宮家でも、職員の仕事に男女の区別を取り払っている。次女の佳子さまも公務のあいさつなどで「ジェンダー平等」について言及する場面が目立ってきている。
令和の時代に皇室はどのように変わっていくのか、注目だ。
(AERA dot.編集部・永井貴子)