国民に手を振るスペイン王室。中央が国王のフェリペ6世、左端がレオノール王女=2019年4月、パルマ
国民に手を振るスペイン王室。中央が国王のフェリペ6世、左端がレオノール王女=2019年4月、パルマ

 そんな王女が、軍隊に入る。王を国家元首とする国では、国王や女王が軍の最高司令官となる。将来の元首が軍事教練を受けるのは、当然のことだともいえる。

 レオノール王女の軍事教練も、将来の女王として国と国民を守るための準備のひとつ。だから、王室や政府は積極的に国民へアピールをする。

 欧州の王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんはこう話す。

「軍の司令官は、紛争や戦争が勃発すれば国民の命を預かる立場ですから、銃の扱い方や前線の兵士がどういう状況にあるのかといったことへの理解、つまり実践学が必要とされます」

 多賀さんは、1990年代から2000年代前半にかけて英国で暮らしていたが、欧米では女性の軍人は珍しい存在ではなかったと話す。

「戦争の犠牲者の追悼式でも女性の軍人を指すservicewoman(サービスウーマン)という単語が使われるほど、一般的な存在です。そして王室の後継者たる王子や王女が、国と国民を守るために軍事教練を受けるのは、誇るべきことという価値観があります」

■迷彩服を着る王女

 王室の女性が軍事訓練を受ける様子を、積極的に公開する王室もある。

 ベルギー王室は、フィリップ国王の長女で王位継承順位第1位のエリザベート王女(21)が軍事訓練に励む姿を、インスタグラムで発信もしている。未来の君主が国軍の階級取得のために訓練を受けるのはベルギー王室の伝統だといい、王女は18歳のときに王立士官学校で訓練プログラムを受けた。

 王室が公開した動画には、水で重量を増やしたタイヤを担ぎながらスクワットしたり、ライフルの射撃訓練を受けたりする迷彩服姿の王女がいる。昨年には、迷彩のフェースペイントを施した王女が自動小銃を手に森を駆け巡る動画が投稿された。

 王室のインスタグラムでは、9人ほどの小隊を指揮する王女の姿を映しながら、「疲労やストレスなど困難な状況でもモチベーションと注意力を維持する訓練」と説明している。

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