ノルウェーでも、ハラルド5世の孫で将来の女王となるイングリッド・アレクサンドラ王女(19)が、21年に軍の基地でパラシュートの降下訓練に参加。その様子がメディアに公開された。
オランダでは20年、ウィレム・アレキサンダー国王の長女、17歳になったアマリア王女のもとに、兵役の「登録通知書」が届いた。
オランダでは現在、兵役の義務はない。しかし、男女を問わず17歳以上の国民は有事の際に「招集」されうるリストに登録されることになっている。
アマリア王女の王位継承順位は第1位で、将来は女王となる人物だ。当時、オランダの女性国防相・バイレフェルト氏は、「女性と男性は平等の権利を有するだけではなく、平等の責任も負っている」と話した。国民にはだれしも国を守る責任があり、それは将来の君主であっても変わらない、ということなのだろう。
■安心感を与える皇族像
性別にかかわらず平等に権利を認め、そして責任も課している世界の王室。他方、日本の皇室は、皇室典範によって、皇位は男系男子が継承することが定められている。
現在は皇嗣である秋篠宮さまが皇位継承順位第1位、長男である悠仁さまが皇位継承順位第2位にある。しかし、ここ数年は、「愛子天皇」論が巷で盛り上がるなど、ジェンダーレスの価値観に即した議論が交わされる土台も醸成されつつある。
皇室に仕えた経験を持つ人物はこう話す。
「国民からみた『あるべき皇族像』の範囲におさまっている状態が、人びとに安心感を与え、皇室の人気を支えている。その傾向はあるでしょうね。愛子内親王は、国民に人気があります。それは、御幼少のころから皇室御用達といわれるメーカーのお洋服をお召しになり、内親王らしいイメージを守ってこられた。自身のご興味ももちろんおありでしょうが、大学では、国文学を学び日本の古典を研究なさっている。そうした適度な保守性を保っている点も国民の安心感を引き出し、人気につながっているのでしょう」