伝統的な図案が、新しい条件のもとで別の顔を見せるのが、マリメッコの力強さだ。フィンエアーとコラボした、機内食に使用される、マリメッコのテーブルウェア、アメニティーキットなど。写真は、ビジネスクラスの食器(提供:フィンエアー)
伝統的な図案が、新しい条件のもとで別の顔を見せるのが、マリメッコの力強さだ。フィンエアーとコラボした、機内食に使用される、マリメッコのテーブルウェア、アメニティーキットなど。写真は、ビジネスクラスの食器(提供:フィンエアー)
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エコノミークラスの毛布と枕(提供:フィンエアー)
エコノミークラスの毛布と枕(提供:フィンエアー)
フィンエアーCEOのペッカ・ヴァウラモ氏はマリメッコの「ウニッコ」がペイントされたA330を「フィンランドの創造性を発信する“飛ぶ大使”」と語っている(提供:フィンエアー)
フィンエアーCEOのペッカ・ヴァウラモ氏はマリメッコの「ウニッコ」がペイントされたA330を「フィンランドの創造性を発信する“飛ぶ大使”」と語っている(提供:フィンエアー)

「毛布や枕、紙コップまでマリメッコで、テンションがあがる」「オシャレすぎるぞ、フィンエアー!」

【フォトギャラリー】マリメッコ展を写真で紹介

 ──今、SNSでマリメッコを検索すると、こんな投稿が目につく。

 マリメッコの図案のなかでも、特に人気がある「ウニッコ」がフィンエアーの企業カラーである紺色のバージョンで、機内のテキスタイルやテーブルウェアなど、さまざまなアメニティーになっているのだ。

 この「Marimekko for Finnairコレクション」がスタートしたのは2012年。13年からは日本へも、青いウニッコをペイントした特別塗装機が就航し、巨大な花々が空を飛んでいる。

 もともと、プリント・ファブリックとしてスタートしたマリメッコのデザインには、大きな図柄のものが多い。とはいえ、飛行機の機体にまでウニッコが描かれるとは。ファンならずとも、目を引かれるに違いない。

 かつて考えられた図案を、時代にあわせて新しいプロダクトに使うことは、デザインを財産と考えるマリメッコが、大切にしてきた方針でもある。

●デザインという哲学

 個性あふれる多くのデザイナーを抱えてきたマリメッコには、数え切れないデザインが蓄積されてきた。とりわけ1950~60年代に生み出されたクラシックな図案は、21世紀に入ってから、幅広い製品に使われてきた(今回、使われているウニッコも、64年の作品だ)。

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