時代とともに言葉が生まれ、意味が移り変わっていくのは日本語も英語も同じ。それなのに、英語は高校や大学で学んだまま。この言い方で、ちゃんと伝わっているんだろうか……。そんな不安を抱えているあなた。単語選びやちょっとしたあいづち、発声で、あなたの英語は見違えるのだ。AERA 2017年2月6日号は、SNS時代に生まれた新しい単語、名スピーチに共通の「心を動かすポイント」と共に、「惜しい」英語からの脱却法を特集している。多くの人が受けている英検やTOEICの試験でも、「惜しい」思いをしている人は多いだろう。何が足りないのか、対策はないのか、専門家に話を聞いた。
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英語試験の世界ではいま、2技能(読む、聞く)から4技能(聞く、話す、読む、書く)へという大きな流れが起きている。英検では2016年度から2級にライティング問題を導入。17年度は準2級、3級にもライティングを導入する予定で、3級以上のすべての級で4技能が問われることになる。
20年度大学入試改革でも英語では4技能評価が採用されることが決まった。
●「ほのめかす」ではダメ
文部科学省の有識者会議で4技能化を訴え続け、スピーキング・ライティングテストの普及に尽力してきた東進ハイスクール講師の安河内哲也さんは、英検が今後、大学入試の代替として使われていく可能性も極めて高いと話す。そして、スピーキングテストやライティングテストの解答を見ていると惜しい解答がたくさんある、と。
「私は海外でもビジネスをしているので、会議などに出席することがあるのですが、グローバルビジネスの場でも、日本人の惜しい発言をよく耳にします。原因はほとんど同じ。英語の論理展開の型がよくわかっていないからです」
日本語で文章の型といえば「起承転結」だが、英語では「アサーション(主張)」「リーズン(理由)」「エビデンス(裏付け)」。賛成なのか反対なのか。イエスなのかノーなのか。まず最初に結論を言わなくてはならないのに、テストでも会議でも、結局この人は何が言いたいのか、いつまで話を聞いてもわからないという状況が多くあるという。