日ハムに入団して4年目。投打で前例なき実績を残したいま、高校時代から夢見ていたメジャーリーグ移籍が視野に入ってきた。「二刀流」を携えての米国挑戦。先人なき道を歩み続けてきた大谷にとって、それは究極のチャレンジになる。
投げてはMAX165キロ。打っては22本塁打を放ち、打率は3割2分2厘。入団4年目の2016年シーズンも投打の二刀流を貫き、北海道日本ハムファイターズを10年ぶりの日本一に導いた大谷翔平(22)は、日本球界の宝にして顔だろう。
「ファイターズの一員である以上、チームが優勝するのが何より優先すべき目標です。最後まで勝つことができたという点では納得していますが、個人の成績に関しては……。入団した頃に思い描いていた4年後の自分の立ち位置には立てていません」
一体どこに不満があるというのか。「思い描いていた自分」というものを具体的に問うと、「それは内緒です」とはにかんだ。
「僕は目標達成に必要な期間と数字を書き留めています。ただそれを誰かに伝えてしまうと、自分自身のプレッシャーになって、プラスになることは何もない。だから人に言う必要はないかなと思っています」
●オフでも常に練習
球速は年々アップし、本塁打もいよいよ量産態勢に入った。昨年7月3日には「1番投手」で先発出場し、先頭打者本塁打まで打ってしまうのだから、もう笑うしかない。
「三振かホームランでいいやという気持ちで打席に入って、思いっきり真ん中を振ったら入ったという感じだった。(二刀流は)僕より対戦相手のほうが意識しているんじゃないかと、その時思いましたね(笑)」
165キロを投げた際は、クライマックスシリーズという負けられない試合で、「指名打者(DH)」から9回のマウンドに上がった。そういうシチュエーション、新たなチャレンジが大谷を燃えさせるのだろう。大谷の野球人生はなんともマンガ的、いや、マンガですら描けないシナリオを歩む。
「二刀流の難しさは、シーズンを通して結果を残すことですよね。1試合だけなら、投打で結果を出してみろと言われてもけっこうやれると思うんですよ。だけど、それが年間を通してとなると、体力的にも技術的にも難しくなる」