東日本大震災から3年。自然災害に備えて対策をしている人と、していない人の差が広がっている。アエラがインターネット調査会社「ミクシィ・リサーチ」の協力で昨年末、全国の500人を対象に行ったアンケートでは将来、大きな地震が来ることに対して9割が「強く不安」「ある程度不安」と答えたのに対し、「備えている」と答えたのは3割だった。「いつ地震がくるか知りたい」「何を備えたらいいかわからない」という声も多かった。
確かに地震は、いつどこで起きるか分からない。だが、発生した後に何が起こるかは、(1)家具が倒れ、ガラスなどが破損(2)耐震性の低い建物の倒壊(3)津波(4)火災(5)地盤の液状化(6)電車やバスが止まり道路が大渋滞(7)電気・ガス・水が止まる(8)避難生活などと想像できる。
(1)~(4)は命に直結する。自分の一日の行動パターンを見直して、長い時間を過ごす場所から備えたい。誰でも簡単に始められる対策を専門家に聞いた。
『震度7から家族を守る家』などの著書がある危機管理アドバイザーの国崎信江さんは、「まず物を減らすことですね」と指摘する。揺れ始めると室内にあるものすべてが凶器になる。物を減らし、残した家具は固定して避難時の通路を確保。家の中で刃物の多いキッチンは物を出しっ放しにせず、調理後の包丁はすぐ、飛び出し防止ストッパーを付けた引き出しにしまう。
震災直後は食べ物よりむしろ「のどが渇いて水が欲しかった」という。水なら自宅で蓄えられる。外出時は持ち歩くか、発生直後に買えるよう自動販売機の場所を意識して歩こう。
どんな時でも使わないわけにいかないトイレ。避難所以外に公園の災害用マンホールトイレも増えてきたが、できれば自宅がいい。近くに川があれば「バケツで水をくめば流れましたよ」(神戸市消防局の上村雄二さん)。水がない場合はビニール袋、新聞紙と大人用紙おむつを便器の上に重ねて使用後、まとめて捨てる。
※AERA 2014年3月17日号より抜粋