「95歳のとき、はっきり肉好きに変わりました。最多の年間55回のレースに出たころで、体が自然にたんぱく質を求めたのでしょう」
いまは宏行さんが食事を準備。水泳の送迎も行っている。
「親孝行とも言われますが、親を101歳まで放ったらかした鬼のような息子です(笑)。自分がやりたいように一人で自由に生きてきたお袋で、気に入らんことがあると『この役立たずが!』と怒鳴られます」
長岡さんの座右の銘は「苦は楽の種 楽は苦の種」。水泳の練習は苦しいこともあるが、勝利や記録更新がうれしい。
「そんな喜びがあるから、長生きできるんです」
いまは耳が遠く筆談だったが、やりがいを尋ねると、満面の笑みが浮かんだ。(守田直樹)
※週刊朝日 2019年9月20日号