一方、約6割の医師はサプリメントを摂っていなかった。「飲食が十分に配慮されていれば、不要」(70代男性・一般内科)、「普段から食事管理しており、必要性を感じない」(60代男性・一般内科)など、食事で栄養が摂れているというのが、理由だ。この点では、「ビタミンやミネラル。過不足なく摂取するのは不可能だから」(40代男性・麻酔科)、「ビタミンB群とC。白米などを食べている以上、食生活だけでは不足するから」(50代男性・小児科)という異なる意見も。
果たして食事で栄養素は足りるのか。栄養素やサプリメントに詳しい、内科医で常葉大学(静岡市)健康科学部部長の久保明さんは、「食事だけで必要な栄養素を摂るのは理想だが、実際は足りていない可能性もある」。その理由をこう述べる。
「以前、健康診断を受けた千人以上について、血液中の栄養素を調べたことがあります。すると、ビタミンCも、Dも、Eも、血中濃度がバラバラで、個人差が大きかった。同じように食事をしても消化吸収の程度に個人差があるので、食事だけでまかなえるかというと、大いに疑問です」
(本誌・山内リカ)
※週刊朝日 2019年6月7日号より抜粋