4位はラ・サール。3年生の志望割合は東大が約35%、京大約5%、九大が約15%なのに対し、国公立大医学部は約40%。寮があるため全国から成績優秀な生徒が集まる。

「中学の新入生199人のうち寮に入ったのは146人。首都圏から20人、関西圏から4人、中部圏から11人が入学しました。中学生の寮は学年をまぜた8人部屋なので、自然にコミュニケーション能力が身につきます。高1と高2は個室で高3になると下宿します」(谷口哲生副校長)

 5位は甲陽学院。東大の理IIIに1人、京大の医学部に6人が合格した。

「数年前は、文系にも適性があって東大の文類に行きそうな生徒でも、成績がいいという理由で医学部を目指すことがありました。今春の卒業生は、理系のトップ層でも理学系に行きたい生徒は京大理学部、工学系なら東大理Iというように、医学部一辺倒の傾向は変わってきたと思います」(杉山恭史進学資料室長)

 関西圏は医師のステータスが高く、大学の選択肢も豊富だ。トップ5に3校、6位以下にも東大寺学園、大阪星光学院、洛星など私立の名門校が入る。13位の四天王寺は中高一貫の女子校で、14年度に「医志コース」を中学に設置した。

 これに対し首都圏では、東京や千葉、神奈川にある国公立大医学部は難易度が非常に高く、私大医学部が第1志望の生徒も多い。

 地域別にみると、九州・沖縄では全8県に国立大医学部があるうえ、福岡には三つの私大もあり、医学部進学熱は高い。ラ・サール、7位の久留米大附設や10位の昭和薬科大附のほか、本、大分上野丘、鶴丸がランクインした。

 愛知県には名古屋大と名古屋市立大に加え、二つの私大がある。トップの東海をはじめ、17位に旭丘、23位に滝、南山が入った。

 こうした多数の合格者を出す高校には、いくつか特徴がある。すべて中高一貫校だ。駿台教育研究所の石原賢一・進学情報事業部長はこう指摘する。

「教育熱心な家庭が中学受験をさせています。中高一貫校は授業の進度が速いため、大学入試では有利です。医師の子どもも多く通っていて、医師の志望者が多いことも、合格者が多い要因のひとつです」

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