ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、「平成の天下人」を取り上げる。
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現在、新元号発表4日前です。先週イチローさんが現役引退をしてから、私はずっと「平成を風靡した、真の平成アイドルは誰か?」を考えています。すでにこの連載にご登場頂いた方だと、例えば福山雅治さん(平成2年デビュー)、木村拓哉さん(平成3年デビュー)、有働由美子さん(平成3年NHK入局)、安室奈美恵さん(平成4年デビュー)、福原愛さん(平成5年公式戦デビュー)、宇多田ヒカルさん(平成10年デビュー)、嵐の皆さん(平成11年デビュー)など。『平成の大横綱』と呼ばれた貴乃花さんは昭和63年初土俵ですが、平成2年新入幕なのでギリギリセーフとします。
今週からは、私が勝手に選ぶ『真の平成アイドル』を取り上げていく予定です。選考基準は、(1)平成直前もしくは平成前半デビュー、(2)15年以上にわたり現在もトップクラスの活躍をしている方たち。よって星野源さん(平成12年デビューだがブレイクしたのは平成23年頃)やマツコ・デラックスさん(平成7年デビューで平成21年ブレイク)らは選考外となりますので悪しからず。
さて、昭和が終わろうとしていた1988年に映画デビューを果たし、自粛ムード真っ只中だったその年のクリスマス、山下達郎さんの名曲に乗って彗星の如く現れたひとりのアイドルがいました。その後数々の人気ドラマに出演し、手堅い人気と実力をじっくりと根付かせながら、ついには日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞にも輝き、今や『イイ女』の代表格へと登り詰めた彼女。そう、深津絵里さんです。