日本中央競馬会によれば、明治天皇は吹上御苑で自ら競馬を催され、そのたびに何らかの賞を与えられた。葡萄酒や花瓶を賜ったという記録も残っている。以後、「エンペラーズカップ」「帝室御賞典競走」などを経て、1947年秋に現在の天皇賞が始まり、競馬恩賞の文字が入った盾が下賜された。

 大相撲の表彰には、昭和天皇が大きくかかわっている。

「大正14(1925)年。摂政宮でいらっしゃった、後の昭和天皇陛下の誕生日に、東宮御所で特別に相撲を行いました。その時に下賜金をいただきましたので、私たちのほうで賜杯を作りました」(日本相撲協会広報部)

 昨年から障がい者スポーツ3競技にも下賜されることになった。1964年の東京パラリンピックで名誉総裁にご就任以来、障がい者スポーツの発展を願われてきた平成天皇の想いが込められているのだろう。(取材・文/本誌・菊地武顕)

週刊朝日  2019年4月12日号

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