リーディングでは、文法やアクセントを問う問題がなくなり、読解だけになる。文章の要旨や事実と意見の区別を問う問題などが出る。単語力、文法力をベースに深く正確に文章を理解しないと解けない。一つの解答を選ぶ択一式でなく、一つ以上の選択肢が正解となる問題があり、気が抜けない。

 リスニングの難度は上がる。配点も現行の50点から100点に増え、リーディングと同じになる。

 また、英文を2回でなく、1回しか読み上げない問題が導入された。聞き取りながら、表を読み解かせる問題もある。記者は表を理解しようとしているうちに、一度しか流れない英語を聞き逃し、焦った。

 リスニングでは文法の知識も問われる。

 数学でも記述問題が出題され、各単元のより正確な理解が求められる。現実の場面を想定した問題になり、どういった前提条件なのか設問を読み込み、理解する必要がある。

 河合塾の例題では、原油の販売を想定。解いてみると、どの公式を使って解くか判断するのに時間を費やした。利益や原価、広告などのイメージを正確に理解する必要もある。文章を数学的に理解し直すことに苦労した。

 新テストにはどう臨むべきか。船津副本部長は「現代文に必要とされる力が重要」と言う。記述が増えた、選択肢が増えたなど形式的な変化は重要ではない。

「本質的に求められるのは、文章を正確に理解する力、複数の文章をまとめる力、そしてそれを文章で表現する力です。それができれば、他の教科も解けるようになる」

 高校1、2年生は知識を蓄える時期だ。演習は3年生からでも十分に間に合う。過剰に不安に陥ることはない。河合塾をはじめ予備校などでは、新テストを想定した講習や模試を実施している。2年後の新テストを見据えながら、少しずつ準備をしていこう。(本誌・吉崎洋夫)

週刊朝日  2019年4月12日号

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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