同校の東大の合格者187人を科類でみると、工学部系に進学する理科一類が79人でもっとも多い。
「IT関係で起業したい生徒が多いようです」(同)
13年からは「海外大進学説明会」を校内で開き、海外の名門大へも毎年6~7人が進学している。
【神奈川】
私立の聖光学院と栄光学園が19年の東大合格者数トップ10に入った。長らく栄光学園の合格者数のほうが多かったが、07年に聖光学院から48人が合格し、栄光学園を4人上回った。以降、聖光学院は合格者数を増やし、15年以降は70人前後が合格。18年の合格者数は栄光学園が77人、聖光学院が72人だったが、19年は聖光学院が過去最多の93人、栄光学園は54人だった。
「聖光学院は15年に校舎が新しくなり、施設も充実したこと、学校説明会で校長が『教養を身につける教育に加え、受験対策もしっかりやっていること』を熱心に説明したことから、さらに人気が出たのだと思います」(小林さん)
同校の教務部進路担当の小泉直範教諭はこう語る。
「文系、理系ともに3クラスで、やや理系が多いです。高2から3クラスのうち1クラスが選抜クラスになり、学期ごとに定期テストの点数でクラスの入れ替えをしますが、高3はクラスを変えず、継続して指導します。一般クラスからも東大に合格しています」
教員と生徒の距離が近く、職員室はガラスを多用し、質問しやすい環境だ。
「校内の自学自習施設で、高3は夜9時まで自習できます。生徒同士でも教え合い、励まし合い、みんなで頑張ろうという感じですね。塾に通う生徒は少ないです」(小泉教諭)
予備校が高校教員向けに開催する入試研究会の後に、横浜翠嵐、浅野、栄光学園、聖光学院などの教員同士で情報交換や悩み相談をする。
「神奈川県の高校として共存共栄し、お互いに頑張ろうという思いです」(同)
学力向上進学重点校に指定されている県立の横浜翠嵐、湘南、柏陽、厚木とエントリー校13校での交流会も定期的にあり、湘南の稲垣一郎校長はこう話す。
「授業力向上、グローバル、進路のワーキンググループを作り、年間を通して交流し、研鑽(けんさん)に励んでいます。本校は『首都圏公立進学校交流会』にも参加していますが、どの高校も勉強だけではなく、部活動、学校行事も頑張っています。合格実績を競うライバルではなく、同じ志を持つ首都圏の公立進学校として切磋琢磨する関係です」
(庄村敦子)
※週刊朝日 2019年4月12日号より抜粋