まもなく平成が終わる。私大の両雄である早稲田大と慶應義塾大の平成元(1989)年から30(2018)年までの合格者数ランキングを見ると、登場する高校の顔ぶれがずいぶんと変わっているのがわかる。東大の併願校であるがゆえに、東大合格実績と重なる傾向にある。
【早慶に強い高校に地域差 合格校平成史 表で見ると変化は歴然!】
平成の早慶合格者数が多い高校を見てみよう。
大学通信ゼネラルマネージャーの安田賢治さんによると、早慶の合格者数ランキングと東大の合格者数ランキングは、かなりリンクしているという。
早慶の2018年の合格者数トップ10に入った13校を見ると、東大合格者数が日本一である開成(東京)が、早慶でもトップだ。
早慶それぞれのトップ10にランクインした麻布、東京学芸大附、日比谷、海城(以上東京)、聖光学院(神奈川)、渋谷教育学園幕張(千葉)の6校は東大合格者数のトップ10に、浅野(神奈川)、女子学院(東京)はトップ20に入った。
一方で、安田さんは、早慶に多くの合格者を出す高校の地域性に変化があることを指摘する。
「03年までは、早慶のトップ20には江戸川学園取手(茨城)、千種、東海(以上愛知)、修道(広島)、愛光(愛媛)、ラ・サール(鹿児島)などが入っていましたが、08年以降は各校の地元志向が強くなり、現在のトップ20はすべて首都圏の高校です」(安田さん)
なかでも、埼玉の高校は早大に、神奈川の高校は慶大に合格者を多く出す傾向があるという。
18年の早大のトップ20には、埼玉県の栄東、県立浦和、開智がランクイン。慶大のトップ20には神奈川県の浅野、聖光学院、湘南、栄光学園、横浜翠嵐が入っている。
「早大は埼玉県に1987年に新設した所沢キャンパス、慶大は神奈川県に日吉キャンパスと90年に新設した湘南藤沢キャンパスがあることも関係していると考えられます」(同)
続いて、早慶合格校の変遷を見ていこう。
1989年から2003年のトップは、早慶ともに桐蔭学園(神奈川)だった。08年は早大トップ10に入ったが、その後は圏外に。合格者数減に対し、安田さんはこう推測する。