18年に慶大3位の浅野は、東大合格者も着々と増えている。1991年までは東大合格者数が10人台だったが、翌年20人が合格。以降、ほぼ毎年20人以上が合格するようになり、18年は42人が合格した。
「生徒に合わせたオーダーメイドの学習方法を指導することによって、自主的に学び、力がつくようになりました。東大をはじめとする難関大の合格者が増えると、後輩もそれを励みに高い目標設定をするようになりました」(小林俊洋進学指導部長)
高2から国公立型の理系と文系に分かれ、高2の秋に三者面談でコースを決め、高3では東大理系、難関国公立理系、国公立理系、東大文系、国公立文系、私立文系の6コースに分かれる。
「早慶を国公立大の併願先にする生徒もいれば、第1志望の生徒もいます」(同)
慶大の文系学部の入試には小論文があるため、文系の生徒は週1回、「国語表現」という小論文の過去問演習の授業を受ける。
「答案を教員が添削します。夏期講習や直前講習は、東大や京大などのほか、早慶に特化したものもあります」(同)
早大は03年にスポーツ科学部、04年に国際教養学部を新設。07年に第一・第二文学部を文化構想学部・文学部に、理工学部を基幹理工学部・創造理工学部・先進理工学部に改組・再編した。
一方の慶大は、1990年に総合政策学部・環境情報学部を設置。2008年は共立薬科大との合併で薬学部を新設した。
平成に入り、大きな変化を遂げた私学の2強は、新しい時代もさらに進化するに違いない。両大学が求める人材が合格する入試制度にする日もそう遠くはない。(庄村敦子)
※週刊朝日 2019年3月29日号