本誌が取り上げ大反響となった「死後の手続き」。身近な人の死は、いつかはみんな経験する。短い間にやらなければいけないことは多い。今回は、主に葬儀・埋葬や不動産などの名義変更、年金関連の手続きについて、Q&Aでわかりやすく解説しよう。
【表】死後の手続きの流れや主な名義変更・解約の手続きの一覧はこちら
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Q1:死後にまず遺族がやるべきことは?
A:一番最初に必要なのが死亡診断書や死体検案書の手配。病院や自宅で亡くなった場合、死亡を確認した医師に依頼し、死亡診断書を作成してもらう。事故や自殺といった病状などを十分把握できない場合は、医師に死体検案書を作成してもらう。
死亡後7日以内に、亡くなった場所か故人の本籍地、あるいは届け出る人の住む市区町村役場に提出しなければいけないのが、死亡届と火葬許可申請書。死亡届は死亡診断書(死体検案書)と1枚綴(つづ)りになっている。
役場では死亡届は24時間受け付けている一方で、火葬許可証は夜間に交付しないところもある。
火葬許可証は火葬場に提出。火葬が終わったら、担当者から埋葬許可証をもらう。この埋葬許可証は、寺院や霊園などに納骨する際に必要になる。
こうした手続きは葬儀社が有料で代行してくれる。葬儀社に依頼しない場合は、遺族が自分でやらなければいけない。
やるべきことはほかにもたくさんある。
相続コーディネーターで相続支援事業「夢相続」の曽根恵子代表は、やるべき手続きをまとめたリストを作っておいたほうがいいと助言する。
「葬儀会社が代行してくれるサービスもありますが、各種の名義変更など遺族自身がやらなければならないものも少なくありません。実際に手がけてみると思った以上に時間や労力がかかるので、準備が必要です」
Q2:自動車、不動産の名義変更は急がないと損をする?
A:意外と手間がかかるのが名義変更。例えば不動産や銀行の預金口座の場合を見てみよう。どちらも、故人の出生から死亡まで一生分の戸籍謄本のほか、相続人全員の戸籍謄本、実印と印鑑証明などが必要だ。司法書士かなた法務事務所の石井一明代表は、こう指摘する。