「恋愛と同じで選手とコーチは尊敬しあう関係でなくては世界では戦えません。いつも笑いが絶えず、同じ方向を見て高みを目指していた2人は、理想的な組み合わせだったと思います」

 それだけに解消は不可解に映る。塚越氏は言う。

「トップに登りつめてからのコーチ交代は、4大大会の期間中だけとか、短期間に限定したケースはよく見られます」

 その場合、4大大会の優勝経験を持つコーチに頼むケースが多いという。錦織圭はマイケル・チャン氏をコーチに迎えてから急成長した。トップ選手になった途端に、“おせっかいな”外野が口を挟むようになることは想像に難くない。

「周囲の人たちが、(シュテフィ)グラフといったレジェンド級のコーチへの交代を進言することは考えられます。仮にそうだとしたら、サーシャは自分が評価されなかったと感じた可能性もある。発言は大坂選手からでしたが、それは雇い主だから筋を通しただけ。真相はわかりませんね」

 大坂の真価が問われるのはこれから。

「会見ではこの件を何度も聞かれるでしょう。負けたりすればコーチ交代は失敗だと言われてしまう。それでもテニスに集中できるかです」

 吉とでるか凶とでるか。(本誌・秦正理)

※週刊朝日 2019年3月1日号

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