現在、ワイン造りは北半球でも南半球でも行われている。北半球の場合、ブドウの木は4月ごろ発芽し、6月に開花、その後ブドウの実がなって、9~10月頃収穫となる。南半球であればこの逆になり、6カ月周期が変わる。

■エチルアルコールを燃料にしたエンジンがあるが、人ではうまく機能しない

 16年にメドック・マラソンというマラソン大会に参加した、という話をした。これはボルドーの銘醸地、メドック地区のブドウ畑やシャトー(醸造所)をぐるぐる回るフルマラソンなのだが、それぞれのポイント(ワインのシャトー)でワインや現地の料理が振る舞われることで有名だ。仮装して走ることがルールとなっており、タイムを競うというよりは楽しんで走るタイプの大会である。

 ぼくが走ったときは9月上旬だったが、このときはブドウの木にはブドウの実がたわわになっており、収穫を待っている、という感じだった。

 余談だが、このときのボルドー地区は地球温暖化のあおりをうけて(?)非常に暑く、「楽しんで走る」とはほど遠い地獄の苦しみにあえいだマラソンとなった。いちおう、完走はできたがタイムは散々だった。

 ワインを飲みながらのマラソンだったのもタイムを落とした一因だ。

 車ではエチルアルコールを燃料にしたエタノール・エンジンというのがあるそうだが、人間ではうまく機能しないと知った。ぼくはマンガの『ONE PIECE』の主人公ルフィの仮装をして走ったのだが、あまりに重すぎて30キロ過ぎで脱ぎ捨ててしまい、残りは上半身裸で走り抜いた。

 そういえば、ワインで有名なマンガ『神の雫』の主人公もこのマラソンを走っている。

◯岩田健太郎(いわた・けんたろう)/1971年、島根県生まれ。島根医科大学(現島根大学)卒業。神戸大学医学研究科感染治療学分野教授、神戸大学医学部附属病院感染症内科診療科長。沖縄、米国、中国などでの勤務を経て現職。専門は感染症など。微生物から派生して発酵、さらにはワインへ、というのはただの言い訳なワイン・ラバー。日本ソムリエ協会認定シニア・ワインエキスパート。共著に『もやしもんと感染症屋の気になる菌辞典』など

著者プロフィールを見る
岩田健太郎

岩田健太郎

岩田健太郎(いわた・けんたろう)/1971年、島根県生まれ。島根医科大学(現島根大学)卒業。神戸大学医学研究科感染治療学分野教授、神戸大学医学部附属病院感染症内科診療科長。沖縄、米国、中国などでの勤務を経て現職。専門は感染症など。微生物から派生して発酵、さらにはワインへ、というのはただの言い訳なワイン・ラバー。日本ソムリエ協会認定シニア・ワインエキスパート。共著にもやしもんと感染症屋の気になる菌辞典など

岩田健太郎の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
「更年期退職」が社会問題に。快適に過ごすためのフェムテックグッズ