銀座 久兵衛 ホテルオークラ東京店/江戸前鮨の伝統を継ぐ老舗。3年前にホテル本館建て替え工事のため別館に移転した。砂糖を使わず酢と塩のみ使った人肌程度のぬくもりあるシャリと鮨ダネのバランスのよさが絶妙/営業時間11:30~14:30、17:30~21:30。定休日なし。(写真/大野洋介・写真部)
銀座 久兵衛 ホテルオークラ東京店/江戸前鮨の伝統を継ぐ老舗。3年前にホテル本館建て替え工事のため別館に移転した。砂糖を使わず酢と塩のみ使った人肌程度のぬくもりあるシャリと鮨ダネのバランスのよさが絶妙/営業時間11:30~14:30、17:30~21:30。定休日なし。(写真/大野洋介・写真部)
飽きのこない鮨が常連客を足繁く通わせる。ちなみにウニやイクラを使う軍艦巻きは、同店の初代が最初に考案したとされる。写真奥は、ツマのワカメ。昼6480円~、夜1万800円~。税込み・サービス料別。(写真/大野洋介・写真部)
飽きのこない鮨が常連客を足繁く通わせる。ちなみにウニやイクラを使う軍艦巻きは、同店の初代が最初に考案したとされる。写真奥は、ツマのワカメ。昼6480円~、夜1万800円~。税込み・サービス料別。(写真/大野洋介・写真部)

 著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回は女優・涼風真世さんの「銀座 久兵衛 ホテルオークラ東京店」の「にぎり」だ。

【シャリと鮨ダネの相性抜群!「銀座 久兵衛」の「にぎり」の写真はこちら】

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 宝塚歌劇団の男役トップ時代は一年中、舞台に立ち、忙しい日々を過ごしていました。当時、東京公演は年に2回。ホテルオークラ東京の本館に入っていた、こちらの江戸前鮨をいただくことが何よりの楽しみでした。

 いつもカウンターの端が私の指定席。落ち着いた雰囲気のなか、まず、おすすめのお刺し身から始まり、次はにぎりを注文。白身魚や中トロなど、口の中に入れた途端、とろける感覚はまさに至福の時でした。魚が新鮮なのはもちろんのこと、酢飯との相性も抜群。上品で贅沢な味を堪能していました。

 もうひとつ、大好きだったのはツマのワカメ。歯応えが実にちょうどよく、とてもおいしかった……。そしてにぎりの締めにきまって注文するのが大好きな穴子。白焼きとタレの2種類です。白焼きは粗塩と柚子の香りがきいた爽やかな味わい。タレは甘く、口の中でとろけていきます。今も、私のなかではトップクラスのお鮨屋さんです。久しぶりに伺ってみようかしら。自分自身へのご褒美を兼ねて……。

(取材・文/今中るみこ)

「銀座 久兵衛 ホテルオークラ東京店」 東京都港区虎ノ門2‐10‐4ホテルオークラ東京 2F/営業時間:11:30~14:30 17:30~21:30/定休日:なし

週刊朝日  2018年11月16日号