■「家事ができる」ということは大きなアドバンテージになる

 さらに家事は、男女ともに「モテるかどうか」に深く関係してきます。知り合いの男性は、(その親から見て)容姿がそこそこという理由で、徹底的に親から「女の子ウケする技術」を教えられたそうです。そのおかげで、大学を卒業してすぐの頃から、キー局で話題の女子アナウンサーと付き合っていました。

 もちろん、家事の仕方は一人暮らしを始めることでも徐々に身についてきます。しかし、家事の中にも細かいものがあり、親から受け継がれていくお婆ちゃんの知恵袋のような効率的な作業もたくさんあります。電気ポットの水垢をとるには重曹とクエン酸を使う、靴の中に銅である十円玉を入れておくと手軽に消臭できるなど、多くの知識を知っていたほうがお得です。無駄に石鹸で力に任せてゴシゴシこするという、面倒な雑務に手間をかける時間が少なくてすみます。男女ともに、人より事細かに「家事ができる」というのは、大きなアドバンテージなのです。

 私の息子とお風呂掃除をしていると、ブラシをもって戦いを挑んできたり、スプレーをたくさん押したがって泡だらけにしたり、突然蛇口をひねってシャワーを出し、自ら水をかぶってビシャビシャになることもあります。買い物に行っても、カートを押したがるし、商品を棚から落として無駄な買い物が増えたり、お菓子を欲しがって駄々をこねたりすることもあります。正直、「もういいから何もしないで」とうんざりすることが多々あります。それでも、将来のことまで考えてみたり、大笑いして楽しそうに家事をやっている姿を見たりすると、やはり「一緒にやろうか」と言いたくなるのです。

◯杉山奈津子(すぎやま・なつこ)1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつによりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』『「うつ」と上手につきあう本 少しずつ、ゆっくりと元気になるヒント』など

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