――今朝、弟子の皆さんに退職の意向を示した時に涙する弟子を見てどのように感じましたか。

 今まで以上に支えていきたいと。精神的な悩み事があった時には真っ先に来てほしいという気持ちになりました。

――どういった存在でしたか。

 我が子のような、それ以上の存在です。

――この先もその関係性は変わらない?

 はい。

――親方としてどこかの一門に所属しなければいけない、という形についてはどのようにお考えですか。

 そうですね……。長くしているものですので、単に否定はできないものだと思います。以上は差し控えさせていただきます。

――相撲協会を変えたいという信念を持ちながらも退職を決めました。今後も相撲協会を変えていきたいという気持ちについてはいかがでしょうか。

 もう引退を届け出ておりますので、叶わぬものだと思っております。ただ、弟子たちが大きなけががなく、大病を患うことがないことだけを願っております。

――相撲協会とは完全に縁を切ると。

 決意しましたのでそういうことになるかと。

――外からアプローチする手段はあるかと思いますが。

 現在のところは全く考えにございません。

――弁護士に中身を伺いたい。8月7日の文書の位置づけがよくわからないんですけども、これはどういうタイプのものなのでしょうか。

弁護士:簡単にご説明します。親方がその前の年寄総会で、実際に告発状を出したことに関しては、事実を弁護士に説明して、弁護士が関知したうえで、告発状を弁護士のほうで出しました。それは真実を追究したい気持ちが強かったからです。という報告を、年寄総会ではしております。これに対して、私の告発状に関して何か疑義等が、まちがっている点がございましたらご指摘下さいということも親方が申した次第です。それに対して、8月7日付の理事長の文書には、協会が委託された外部の弁護士の法的意見に基づく見解書を添付されて提出して下さい。それに対して、8月末までにということでございます。内容は聞いておりませんけど、概略はそういう経緯でございます。

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何が「無念」なのか?