「瀬戸内寂聴さんは『仏教女子』と呼んでいいと思うんですよ。『九十歳。何がめでたい』がベストセラーになった佐藤愛子さんも『女子』と呼んでいいのではないでしょうか」(三浦氏)

 博報堂「新しい大人文化研究所」の阪本節郎所長によると、今、この国で起きていることは「新型高齢者」が次々に誕生していることだという。

「団塊の世代の前と後で人種が違うぐらいの変化があります。何が決定的に違うのかというと、結婚が見合い婚だったか恋愛婚だったかなんです。団塊以降は恋愛婚が主流で、どんなにおとなしい女性でも結婚相手を自分が主体的に選んだ経験を持っています。女性が主体性を発揮するのは、50年近く前から始まっていたのです」

 なるほど、その主体性が今や高齢女性に自らを「女子」と呼ばせているわけか。「女子」たちは、「人生100年時代」の社会のありかたそのものを変えていくのかもしれない。(本誌・首藤由之)

週刊朝日  2018年9月14日号より抜粋

[AERA最新号はこちら]