(3)おやつにチーズ、間食で手軽に摂取
足りない分は間食で補う方法もある。例えば、プロセスチーズ(タンパク質5.7グラム)やゆでたまご(同6.5グラム)をつまむだけでも、タンパク質補給になる。
キムさんのお薦めは、「チーズのみそ漬け」(同14.8~15.9グラム)。“みそヨーグルト”にチーズを漬けるだけの、お手軽レシピだ。作り方は簡単。プレーンヨーグルト1カップに対し、みそを50グラム入れてよく混ぜ、食べやすい大きさに切ったプロセスチーズもしくはモッツァレラチーズを入れて、一晩漬けるだけ。ヨーグルト、みそ、チーズから乳酸菌もたっぷり補給できる。チーズを食べ終われば、余ったみそヨーグルトを肉にもみ込んで焼いても良い。
「みそを入れることで、和食の中にもとけ込みやすい味になります。カルシウム量も多く、栄養満点のおやつやおつまみにもなりますよ」(同)
さらに夏場には、牛乳を積極的に飲むこともお薦め。手軽にタンパク質と良質のロイシンがとれるほか、熱中症の脱水予防にもつながるからだ。藤田教授は言う。
「運動時にはスポーツドリンクもお薦めですが、糖分が高いので、普段の生活の中で飲むなら牛乳のほうが良い。熱中症予防にもタンパク質は有効なので、牛乳を飲むことで効率的に対策ができます。特に高齢者はのどの渇きを感じにくいため、積極的に飲み物をとるよう注意して」
(4)奥の手はホエイプロテイン、胃腸にもたれにくい
飲み物で効率的にタンパク質を摂取するなら、プロテインを取り入れるのも手だ。藤田教授が特に薦めるのが、ロイシンの含有量の多い「ホエイプロテイン」だ。ヨーグルトの上澄みに含まれるタンパク質が主成分のプロテインで、消化吸収が良く、スピーディーに筋肉を合成する働きがある。味は淡泊で飲みやすく、体内への吸収はスムーズ。胃腸にもたれにくいというメリットもある。
「ホエイプロテインは、筋肉成分の多くを占めるアミノ酸が含まれており、筋肉修復効果も期待されています。飲み物だけでなく、料理に混ぜても良い。品数を増やさずに、タンパク質の摂取量を上げられるので、シニアもぜひ取り入れて」(藤田教授)
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小社刊『関トレ』の著者で理学療法士の笹川大瑛さんによれば、60歳どころか、90歳でも筋肉はつくという。それにはタンパク質の摂取が欠かせない。残暑も厳しいといわれる今年、スタミナ切れを起こす前に、今日から、タンパク質をプラスした食生活、始めてみませんか?(本誌・松岡かすみ)
※週刊朝日2018年8月31日号より抜粋